就労移行では、訓練生同士で電話対応や面接を練習をする講座もあります。社会人らしい掛け合いを学ぶ良い機会なのですが、これに取り組んだ結果、様々な不安も見つかりました。
例えば、電話対応ロールプレイの講座ですと、電話を掛けたとき・切る時の挨拶の流れや、どのような質問をするのか/されるのかが予め書いてあるシートが配られるので、それを参考にして、企業の者や客になり切って掛け合いをします。言葉遣いを意識する経験も積めますし、設定に明記されておらずすぐに対応できない質問があった際は折り返し連絡をするような掛け合いを始めるといったアドリブ力なども磨けます。
ただ、この訓練が苦手な方も一定数いらっしゃいます。
「説明を聞いたり読んだりができておらず、何をすればいいか理解できない」
「話が始まらない、返答していただけない」
「情報の整理が必要な場面で諦められてしまう」
「気にしないで良いことに引っかかってしまう」
このような事が起きた時、ロールプレイが止まってしまうというのが実情です。そのような状況にななった際は、スタッフさんがその方のそばに来て「ここを読むんですよ」「このように対応してみましょうか」とフォローして頂くことで続行するのですが、当人がそこから学びを得るのも苦手ですと、次回以降もこのようなモタモタを繰り返してしまうのです。
ロールプレイが行き詰ってしまっているのですから、相手としても、将来のための練習どころではありません。このケースは、訓練の場で、対面のロールプレイだから、中断して「大丈夫ですか」と声をかけたり、スタッフさんにフォローを入れてもらうことができている。まだ安心できる状況です。
本音を言うと、こういった時は(この方とはあまりロールプレイをしたくないな。でも、私がこの方と組むのを断るだけでは、代わりの方が同じような思いをするだけだし…)と感じています、さすがに、ワガママや悪口の要素が強く感じられ、スタッフへの相談は出来ませんでした。
このような経験をしたため、街中で不意に誰かとやり取りが発生する場面や、将来、就職して社外の方と話し合う場面で、このように収拾がつかなくなって、だれにも助けを求められずにひどい損害が発生するかも知れない、ということが心配になってしまいました。